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半年くらい前、友人のクロモリバイクに乗らせて貰った時のこと。そのクロモリ車はカンパニョーロのケンタウルで組まれていて、それは俺のカンパ初体験だった。1kmに満たない程度の試乗であったが、その乗り易さに、相当な衝撃を受けた。 まず、前傾姿勢が非常に楽にとれる。次に、ハンドルのドロップ部を握っている時、ブレーキレバーに指が余裕で届く。この二点は、当時からかなり悩んでいたので、わずかな試乗の間にカンパへの移行を真剣に考えたほどだ。 しかし、乗り終えて「凄い乗りやすいよコレ! 俺、そのうち絶対カンパにする!」と興奮しながら言う俺に対し、そのクロモリ車の持ち主である友人はタネ明かしをしてくれた。 「たぶん乗り易かったのはカンパのせいじゃないよ。俺は鎖骨折ってリハビリ中だから、サドルを下げてハンドルをかなり上げてんのよ。だからじゃない?」 超納得。すべてが腑に落ちた。 そのとき俺が乗ったのは、「ハンドル-サドル高低差=ゼロ」という特別なセッティングの自転車だったのです。 さらに極端に考える。右のイラストのような自転車があったとします。 この自転車であれば、理論的には、「骨盤が立ちにくい」「ブレーキレバーに指が届かない」という問題はパーフェクトに解決されるはず。このように考えてみて、初めて俺は「ハンドル-サドル高低差」というのが、ポジションを考える上で、最も重要な概念の一つであることを知った。 当時は採寸していなかったので正確には分からないが、この時点で俺のロードの「ハンドル-サドル高低差」は、50mmほどだったと思う。この落差を縮めるべく、俺のセッティングの見直しは始まった。 まず俺のロードはアヘッドシステムであり、現状よりハンドルを上げることができない。仕方なく、5mmのスペーサを1枚だけムリヤリ挟み込み、少しだけ上げてみた。ステムを逆付けにすればもっと上がることは知っていたが、見た目が格好悪いという理由で、その方法は採らなかった。 ならば、と、サドル高を見直してみた。その頃の俺は、自転車ライター=エンゾ早川氏の「ロードバイクバイブル」に書いてある通り、股下に0.893という係数を掛けた高さにサドルをセッティングしていた。だが、この高さだと膝の裏が筋肉痛になったり、何よりもペダリング時に骨盤が全く落ち着かず、常にガチャガチャと上下に動いてしまうのが気に入らなかった。ということで、以後、骨盤が安定するくらいまで徐々に下げていき、現在では股下×約0.868、という数値に落ち着いている(股下80cmに対し、69.4cm)。「ハンドル-サドル高低差を埋める」という観点からサドル高を下げたのは、筋道として倒錯しているようで嫌だったが、結果的には非常に良かったと思う。 このようにして、俺のロードの「ハンドル-サドル高低差」は、あのクロモリに乗った日から昨日までで20mmに縮まった。が、前屈しても、余裕で数センチは指が地面に届かないほど身体が固い俺は、まだその落差の大きさに悩んでいた。 そして今日。ふと「もういいや、無理しなくても」と思い、遂にステムをひっくり返して上向きにした。ハンドルは13mm上がった。これでハンドル-サドル高低差は7mm。夜だし10kmしか走れなかったけれど、たぶん俺、これでポジション出たんじゃないか、というような気がしているのだが……次に100km乗ったとき、どうだろう? 自転車はセッティングの違いによって乗ったときの感覚が全く変わってくる。俺はこのような、自転車というスポーツの、「機材と自分との距離感」が非常に好きです。
by ko_bayashi
| 2007-11-08 00:52
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