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この前、駅の反対側にある古本屋に立ち寄ったとき、古い自転車雑誌を見つけて買ってきた。 驚きというのは、10年前の自転車界が、思ったよりも遙かに「MTBの時代」であったこと。話がMTB中心に回っていて、現在のロード中心の編集とはちょうど逆の構図になっている。 この頃、ロードバイクというのは「レース専用マシン」であって、今のように、中高年の皆さんが運動不足解消にちょっと乗ってみようか、という雰囲気ではなかったようだ。2000年モデル・バイヤーズガイド(辰巳出版)では、ロードバイクはこう紹介されている。 「ロードレーサーは、あくまでもレースのためのマシンであるが、レース用のチューブラータイヤを通常のWOタイヤにはき替えるなどして、自分の走り方に合わせて改造して楽しむサイクリストも多い」 クリンチャータイヤを使う程度のことが「改造」なのか……ロードの敷居の高さをうかがわせる記述だ。 確かに紹介されているロードバイクは、どれもチューブラーを履いているようだ。ってことは当時、700cのクリンチャータイヤ/専用ホイールというのは今よりもマイナーな存在であって、そのことが700cクロスバイクの誕生を阻んでいたのだろうか。 というのも、少し驚いたのだが、この2000年モデル・バイヤーズガイドには「クロスバイク」というカテゴリーが存在しない(MTB/ROAD /フォールディングバイク/BMXの四項目に分類されている)。 クロスバイクが存在していなかった当時、街乗りといえばスリックタイヤを履いたMTBが主流だったようだ。00年バイシクルクラブの「街乗り自転車の新常識」という特集で、「街乗りはプロメッセンジャーの技を盗め!」というページがあって、6人のメッセンジャーが紹介されているが、全員がスリックタイヤ+MTBの組み合わせだ。 が、その特集の中にも、現在の700cクロス/ロード隆盛時代へと繋がるような萌芽も見られ、面白い。 例えば…… 「街乗りならMTB+ROADでしょ!」「カスタムするなら、さらに高速快走20%増な(多分)700Cはどうだ?」 「街乗りには取り回しやすさからMTBが多く見られるようだが、ロードバイクだってハンドルバーなどの工夫次第で快適に走れるのだ!」 「B/C編集部にローディー急増中!」「タイヤの細いロードバイクは、走りが軽く街乗りにもピッタリ。そんなことに目をつけたB/C編集部員の街乗りスタイルを紹介しよう!」 自転車雑誌の編集部ですらローディが「増えている」という状況なのが、今の視点からは異様に映る。しかし「街乗りならMTB+ROADでしょ!」という見出しは、クロスバイクの流行を予見していて見事。 それにしてもこの「MTBの時代」は、一体どこがどうなって「クロス/ロードの時代」に逆転したのだろう。俺がクロスバイクを買った05年には、既に「街乗りならクロスでしょ?」という空気だったが、これらの雑誌が出た00年頃(バイヤーズガイドに「クロスバイク」の項目が無かった頃)から、わずか5年しか経っていなかったことを考えると、とても不思議な感じがする。 ついでに言えば、00年というと俺は既に30才を過ぎた大人だったのだが、自転車乗りとしては「生まれる前」の話だから、こうした書籍を通してしか時代の雰囲気を知ることができない。そこにも少し不思議がある。 -------------------------------------------------------------------------------------- おまけ。気になった記事のスクラップ。 ▼GIOSというと、「保守的なロード・ブランド」というイメージだが……フルサスMTBを出していたとは ▼なるしまの前にいつも停まってる、「あの」自転車の記事。まだキレイだった頃の写真に感動 ▼王や江夏の現役時代はハッキリ記憶しているのに、ロードレースに関してはランスの7連覇にすら間に合っていない。自転車的な物心ついたとき、パンターニは既に「伝説」だった ▼モノクロページにひっそりと載せられたショップの小さな広告に、今をときめく三人の名が。清志郎のオレンジ号で有名なビルダー松永さん、新城を育てた浅田監督、メンテ本でよく見るメカニックの藤下さん エヴァンスさん、こんなところで何してるんですか!
by ko_bayashi
| 2009-10-15 15:45
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